ベトナムの市販薬紹介 @Leopovidone Gel
こんにちは!薬剤師のえなさです。
あっという間に11月も後半。すっかり寒くなりましたね。
今回は、ベトナムの市販薬でよく使用されているお薬について、使い方や日本のお薬との違いをご紹介いたします。
そのほか、ベトナムのお薬で「これ何?」と思う薬があったら、ぜひお尋ねくださいね!
<過去の記事>
本日のテーマは、傷薬。
今回ご紹介するお薬は、ベトナムでケガをした時、現地の薬局・ドラッグストアで勧められるかもしれません。
ケガをした時の対処法も合わせて解説していきます。
- お薬の説明
- 効果的な使い方と使用上の注意
- 喉が腫れている時は?
- ケガをした時の応急処置
【Leopovidone Gel 】
ベトナムで傷薬として売られている市販薬。
パッケージを見てみると、アメリカから輸入されたお薬のようです。
<有効成分>
🔸ベトナムの薬→ ポピドンヨード 2g/20g
🔸日本の医薬品規格→ ポピドンヨード10% = 2g/20g
🔸市販薬→ イソジン軟膏 100mg/1g = 2g/20g
ベトナムの薬と日本の薬を比べてみると、中身は全く一緒です。
ポピドンヨードは、日本ではイソジンとして広く知られている成分です。
高い抗菌・殺菌作用があり、傷が化膿しないように消毒薬として使われます。炎症を鎮める効果はありません。
あくまで消毒・感染予防のために、うがい薬として使われるのが一般的です。
ポピドンヨードは、傷口に対する刺激が強く、炎症を抑える作用もないため、最近は、ケガをした時の消毒液として使うことが少なくなりました。
さらに、独特の匂いと色(衣服につくととれません)があって、大変使いづらいので、外傷には別のお薬をおすすめします。
ケガをしたときの応急処置も後ほどご紹介します。
傷薬おすすめ↓
・白色ワセリン/プロペト(切り傷、擦り傷の保護)
*ネットから購入できるページに飛びます(自社サイト)
ポピドンヨードは、傷薬には使いづらいですが、感染症の予防という点においてはとても優秀です。
日本では、イソジン(ポピドンヨード)のうがい液が、コロナウイルスの感染拡大とともに一時品薄になってしましましたが、今では供給が安定してきました。
うがい薬として口の中に入れることができ、殺菌・抗ウイルス効果が大変優れているため、コロナウイルスだけでなく、インフルエンザや一般的な風邪の予防にも効果的です。
しかし、使い方には注意が必要です。ポピドンヨードは、ヨウ素を含んでいることから、ヨウ素過敏症の方には使えません。甲状腺に疾患がある方、造影剤にアレルギーがある方は、使わないようにしましょう。また、妊娠を希望している、妊娠の可能性がある、妊娠している方もご使用を控えてください。
イソジン(ポピドンヨード)には、うがい薬だけでなく、ハンドソープもあります。感染症がきになる方、病院への出入りがある方、調理や給仕など清潔に配慮する必要がある方にはおすすめです。
ただし、頻回な手洗いは、手荒れの原因になりますのでご注意ください。
上にも書きましたが、ポピドンヨード自体には炎症を抑える力はありません。
なので、のどが腫れて痛い、刺激を受けてチクチクイガイガする、という時に、イソジンのうがい薬はあまり効果がありません。
喉に炎症があったり、口内炎が腫れてひどい時には、ポピドンヨードではなく、アズレンという成分の方が効果があります。
特にベトナムは、大気汚染が深刻な問題となっており、乾季には空が真っ白でビルの向こうが見えないといこともあります。
この有害な大気汚染物質(ガス・エアロゾル)を吸い込むことにより、喉が炎症を起こして腫れてイガイガする、ということがよく起こるのです。
これは、感染症とは違いますので、うがい手洗い殺菌消毒でなんとかなる問題ではありません。
この、イガイガ(喉の炎症)に、アズレンが有効です。
青色の液体で、うがい薬や喉スプレーがあります。イソジンと違って、殺菌作用はありませんが、炎症を鎮める効果があります。
また、基礎疾患を気にせず使うことができます。妊娠中や授乳中でもお使いいただけます。
また、アズレンの喉スプレーには、1歳以上のお子様からお使いいただける商品もありますので、うがいができない年齢の方にも安心です。
のどの炎症を鎮めるお薬おすすめ↓
・浅田飴アズレンのどスプレー(1歳以上のお子様からお使いいただけます)
・ツムラ漢方トローチ桔梗湯(水無しで使える、なめて口の中で溶かすタイプ)
*ネットから購入できるページに飛びます(自社サイト)
ここからは、万が一ケガをしてしまった!という時の対処法をご紹介します。
「傷口には消毒液!」実はこれ、あまり良い対処法とは言えないのです。
消毒液は、それ自体が刺激になって肌や傷口を痛めてしまうことがあります。さらに、消毒液を使うことで、傷を治そうとする免疫反応や傷を塞ごうとする保護機能を弱めてしまい、逆に傷の治りを妨げてしまうことがあります。
まず傷口は、消毒液は使わずに水道水でしっかりと汚れ(出血がある時は血液)を洗い流し、綺麗な布やガーゼで優しく拭いて、清潔・乾燥を保ちましょう。
次に、傷口が雑菌に触れたり、濡れてしまったり、刺激されたりしないように、保護する必要があります。
その時には、ワセリンを塗って傷口をカバーします。
ワセリンは、傷口に撥水性の膜を貼るようなイメージで、外からの水や汚れは弾きますが、内側は適度な湿潤環境を保ってくれます。
この湿潤環境は「濡れている」状態とは違って、身体が作った特別な分泌物で覆われている状態です。この分泌物の中は、免疫反応や保護機能といった防御機能が働ける最適な環境になっています。
この分泌物が、水や菌で汚染されてしまうと、防御機能がうまく働かなくなり、あっという間に化膿して炎症を起こし、腫れ上がってしまいます。
なので、傷口の汚れを洗い流した後は、絶対に濡れたままにせず、水分をしっかり拭いておく必要があります。
また、せっかく綺麗に洗った傷口に直接絆創膏を貼ってはいけません。付けていると必ず隙間ができますし、擦れると余計に傷を引っ掻くことになります。絆創膏をつけたいときには、まずワセリンを塗ってから貼ってください。
ただ、ワセリンは少しベタベタしていて、衣服等まわりにペタペタついてとれてしまうことがあります。衣服が擦れる、子どもが触らないようにしたい等、気になる時は、上から清潔なガーゼを当てて保護してください。
そして、早めに皮膚科・形成外科に行って治療を受けましょう。
ここに書いた方法は、あくまで応急処置です。
安易な判断で適当に処置、放置してしまうと、悪化してしまうことがあります。
傷薬おすすめ↓
・白色ワセリン/プロペト(切り傷、擦り傷の保護)
*ネットから購入できるページに飛びます(自社サイト)
いかがでしたか?
万が一、ベトナムでケガをした時、喉が痛い時に役立てて見てくださいね!
えなさ
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