NZ異文化交流記:ペルシャ(イラン)④国際事情 @ニュージーランド滞在記

こんにちは!薬剤師のえなさです。

NZ異文化交流記:ペルシャ(イラン)、前回の記事の続きです🍊






イランの国際情勢


実は、私がNZにいた時、イランの人々にはとても複雑なお国の事情がありました。
トランプさんがアメリカの大統領だった時、イランに経済制裁を加えたのです。


私は国際情勢評論家でも経済評論家でもないので、一般論として、何が起きていたのか、それが一体どういうものなのかということを、ここで詳しく書くことはしません。
どっちが良い悪いだとか、経済制裁の是非だとかについても議論はしません。
あくまで交友関係上のお付き合いの中で、実際に私自身が触れたことについて、ご紹介したいと思います。





私が働いていた研究室には、海外からの留学生がたくさんいました。
その中に、イラン人の学生 Hくんがいました。
これまでの記事に登場したイラン人の女性は、すでにNZに帰化していて(イランからきたNZ人というほうが正しい)、生活の拠点もNZにあったのですが、 Hくんは、イラン人留学生であり、自国から金銭的なサポートを得て勉強していました。


そんな時に、イランに訪れたアメリカからの経済制裁。
なんと、イランは様々な国との取引を止められてしまいました
貿易だけでなく、個人的なやり取りもできなくなってしまったのです。
(Paypalでも、イランとのやり取りはできないようになっていました)


その結果、Hくんは、自国からのサポートが一切遮断され、学費の支払いは愚か、生活すら苦しくなっていきました
学生であることから、大学をたくさん休むことはできず、アルバイトの収入も限られており、どんどん追い詰められていきました。
NZにきてまだ2年ほどで身寄りもなく、大学にサポートをお願いしたようですが、援助や配慮はありませんでした。
友達みんなで何か助けになれないかを考えましたが、私たちは無力でした。


そのうち研究室に寝泊まりするようになりましたが、それでもやっていけず、最後は大学を去っていきました
その後、彼がどうなったのかわかりません。



国と国との間に、いろいろな事情があることはもちろん理解できます。
しかし、NZにいながらにして、こんな形でその余波に触れるとは思ってもいませんでした。
Hくんは、政治・経済の策略の犠牲者となってしまったのです。
純粋に、ただ純粋に、とても悲しい出来事でした。








えなさ



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