ランチタイムの小話: いただきますの祈り @ニュージーランド滞在記
こんにちは!薬剤師のえなさです。
研究というお仕事
私は、NZの大学で研究のお仕事をしていました。
研究というお仕事は、何時に始業、何時に昼休み、何時に終業というかちりとした決まりまはなく、実験スケジュールに合わせて動くのが一般的です。
機械の設定時間が15分間なら、その間にトイレに行きます。
待ち時間が1時間ある時には、その間にご飯を食べます。
20時間放置の工程がある時は、その時間に合わせて帰宅し出社します。
スケジュールが空く時は、研究成果をまとめたり、論文を調べたり、学会の準備をしたりと、デスクワークに集中します。
この時、何時から働こうが、何時に帰ろうが、ちゃんと成果を残して業務を全うしていればOKなのです。
土曜日日曜日に休みたい場合は、実験スケジュールを調整してお休みします。
その合間を縫って、まとまったお休みが取れれば長めの休暇をとります。
いわゆる、フレックス制という感じですね☺️
ランチタイムは世界共通
それでもやっぱり、ランチタイムは全世界共通。
お昼の時間には、誰しもお腹が減ります🐝
職場には、中央のフリースペースが休憩できるようになっていて、ビルの窓際がソファ、壁側が15人掛けくらいの広いデスク、真ん中にアイランドキッチン(コンロなし)があり、そこにはシンク、食器洗い機、小さな冷蔵庫、電子レンジ、ホットサンドメーカーが置いてありました。
ここのフリースペースで、ランチをとったり、研究の進捗状況のラボミーティングをしたり、ちょっとしたパーティーをしたりしていました。
そこでの出来事が本当に面白くて。
たくさんのエピソードがあるので、少しずつ書いていきます。
食べる前に手を合わせるとは?
ランチタイムには、様々な国籍の、様々な宗教の人間が集まって、各自好きなものを好きなタイミングで食べるのですが。
初日も初日、私が食べ物を前に「いただきます」と手を合わせると、みんなキョトン。
私も「????」となってしまいました🤔
中国人に「日本人って、本当にいただきますっていうんだね!アニメの中の話かと思ってた」と言われて、そんなふうに思われていたのかとびっくりしました😂
イギリス人に「いただきますってどういう意味?」と聞かれたので「いただきますは、命への感謝。何かの命をもって私たちは生かされている、この私の命を繋いでくれた生き物、食べ物に感謝しているの」と。
そして「この食べ物を与えてくれた、全ての人たちへの感謝。私の口に入るまで、たくさんの人が苦労して育て、運び、作ってくれた。この一皿を用意するために、たくさんの人が関わってくれている。その全ての人にも感謝しているの」と話しました。
ユダヤ人に「それはつまり、お祈りなんだね」と言われ、ハッとしました😳
そう、毎食、食べる前にお祈りをするのは日本人(私)だけだったのです。
シントニズム(神道)だけ。
無宗教の人はもちろん、イスラム教やキリスト教、ユダヤ教の人もお祈りはナシ。
お祈りと感謝
・・・とはいえ、他宗教の方が意味する「お祈り」は、日本人にとって「神道」における参拝のようなもの。
神社に行ってパチンと手を叩き(柏手)お願いごとをするあれです。
「いただきます」は感謝なので、彼らがいう神への「祈り」とは少し違う意味合いな気がしました。
でも、英語が下手な私は、この「おかげさま」や「謹んでちょうだいいたします」というニュアンスをうまく言い表せず・・・
もうお祈りでいいや!笑 と開き直った私はさらにこう説明しました。
「日本人が信じる神道という考え方では、全てのものに神様がいて、どんなものでも粗末に扱ってはいけないの。お米には、1粒に7人の神様がいるのよ」と。
無宗教 or 唯一神のみんなは、7人の神???一体何を言っているんだ・・・???という様子でしたが、初めて聞く「神道」という概念を面白く思ってくれているようでした。
それにしても、このなんとも説明しがたい「いただきます」の感覚を、一発で「祈り」と喩えられたユダヤ人、さすが賢すぎです。
えなさ
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